2020年09月09日

ウイルスの不幸な出会という過去と、内在化という未来

 昨日は1本印刷入稿してからは、ひたすら大人しく静かに新聞や本を読んだ。朝日新聞グローブ9/6号、「世界はウイルスに満ちている」は面白かった。コロナ禍の時代だが、ウイルスと人の不思議な関係を知った。それは、人の進化の原動力としても関わっていたということだった。
 そこで、ウイルスの『内在化』というテーマでまとめてみようと考えた。

 人の遺伝子情報の解読は1990年に始まり、03に解読が全て終わった。解読してわかったことは、人の体をつくるたんぱく質を生み出すめに、関わっている遺伝情報の部分は僅か1.5%で、残りの大半は、よくわからない配列や無意味な配列の繰り返しだった。さらに、全体の8%ほどは、ウイルスなどにより外から入ってきたものだった。
 
 ウイルス感染は生物に多くの死をもたらすが、一方で生物は活用して生き残っていく術も得ていた。まだ謎が多いそうだが、「生物はたくましく生きていくために、常に変わってきた。その原動力の少なくとも一部は、ウイルスなどによって外から入ってきた遺伝子だった」。
 たとえば、哺乳類の母親がお腹の中で子供を育むのに欠かせない胎盤は、ウイルスなどが外から運び入れた遺伝子によって、つくられたことが近年の研究でわかってきた。

 人類とウイルスは不幸な出会いから始まる。19世紀、結核やコレラの原因は、微生物で人の細胞に似た構造をもち、自ら分裂し増える「細菌」だった。ところが、天然痘などの原因である微生物は、なかなか見つからなかった。
 1998年、オランダのマルティヌス・ベイエリンクは、これまで、その病原体の細菌を分離するために使われた、濾過装置をすり抜けるほど小さかったため発見ができなかった、その液体中に病原体があることを突き止め、毒を意味するラテン語の「ウイルス」と名付けた。
 
 ウイルスの構造はシンプルで、自らの設計図「ゲノム」(全遺伝情報)と、それを包むたんぱく質でできた殻からなる。細菌との違いは、細胞に感染しないと増殖できない。

 ウイルスは宿主の細胞を殺してしまうものと考えられていたが、病気を発症するウイルスは氷山の一角だ。つまり、ウイルスは宿主に病気を引き起こそうと思っていないそうだ。自分が増えるために一番効率がいい方法をとってる。
 たとえば、ウイルスのゲノムが、宿主にのゲノムに組み込まれ次世代に受け継がれることを、ウイルスの『内在化』といい、ウイルスと宿主が共存共栄をしようとしているように見える。

 繰り返しになるが、その典型的な例が、哺乳類の胎盤形式に関わる遺伝子で、細胞はそれまでつくることができなかった、新たなたんぱく質をつくることができるようになったのが、ウイルスの『内在化』だった。

 また、腸内細菌のバランスを変え、海の藻類を通じて気候変動にも影響を与えているらしい。大きな目で見ると、ウイルスはどこかでつながっている。ウイルスは地球上で、数や多様性が最も大きな生命体だ。

 だから、世界はウイルスに満ちていて、過去にウイルスの不幸な出会があったが、
 内在化という未来も知っておくべきだと思った。

 
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posted by トモ兄 at 15:04| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする