2011年07月26日

【卓球】ジャパンオープンの感想


 優勝した岸川選手のことを書いてみようと思った。

 ジャパンオープン荻村杯2011神戸大会で、岸川聖也選手はライバルであり、ダブルスパートナーでもある水谷隼選手を4-1で破り初優勝を飾った。

 岸川選手の出来は素晴らしかったが、試合の印象は面白くなかった。と言いながらitTVを何度も見た。なぜ面白くなかったかというと、岸川選手の作戦勝ちだったこと。つまり、水谷選手はいいところがだせなかった。

 岸川選手のクレバーな作戦は、水谷選手の弱点を徹底的についた。手の内が分かっている選手同士の試合にありがちだが、水谷選手のサーブが効かなく3球目攻撃ができなかったこと。つまり先手を容易に取らせなかった。
 また、水谷選手のサーブをストップしフォア前に寄せ、その返球をバック側に深く配球。その配球をバックループドライブで返球させ、ライジング等の技術でフォアやバックハンドで狙い打ちしたこと。つまり、水谷選手のバックの技術に制限を掛けた。

 水谷選手は、中国対策のために重いラケットに替え、スピードからパワー重視を指向しているようだ。その影響なのかつまって打つと逆にドライブ回転は掛からないようだった。特にバック側を攻められ、回り込んだフォアのシュートドライブは力がなかった。

 水谷選手のオフィシャルサイトに書いてあるように、重いラケットにまだ慣れてないようだ。使いこなすとまた展開は変わるだろうと思うが、不用意なループドライブを狙われた。

 あくまでも試合の第一印象だが、
 岸川選手は、思った以上に徹底できるクール&クレバーな選手だった。 
 また、岸川選手のライジング攻撃は正に天下一品で素晴らしかった。
 

 もう一つの印象に残ったことは、岸川選手の振る舞いと欲のない発言だった。

 試合が終わった瞬間、プロツアーシングルスの初優勝にしては、ガッツポーズが大人しかった。水谷選手が副審に握手をしようとしたとき、岸川選手は水谷選手の背中をポンと叩いた。

 私は、全く同じシーを記憶している。

 平成20年度全日本卓球選手権、男子シングルス準々決勝で水谷選手に大逆転を喫してしまった。私は観客席からその試合を観戦していて、岸川選手はまたとないチャンスを逃し、どんなに悔しい思いをしているだろうと思った。その瞬間、ジャパンオープンと同様に、岸川選手は水谷選手の背中をポンと軽く叩いた。

 その振る舞いは、勝者への祝福や敗者への労りだろうと思った。ついさっきまでの殺気は感じられなく、とても仲がいい同僚の別れ際に似ていた。

 優勝インタビューでは、「まさか自分がプロツアーで優勝できるとは思いませんでした。」

 勝負師でありながら、まさかが面白い。ところが、こういう選手はそのまさかを起こす。

 岸川選手は、福岡出身で仙台育英に卓球留学。2003〜2005全国高校選手権で、男子シングルス優勝3連覇(日本人史上初)を達成した。しかも、全盛の青森山田を3年間も退けたのだ。その彼が、プロツアーのジャパンオープン荻村杯2011神戸大会で初優勝を飾った。

 岸川選手は、吉田海偉選手のように強烈なアピールする姿はない。水谷選手のように強烈な有言実行の発言はない。岸川選手は驚くほど謙虚なのだ。そしてクールなのだ。そこに、底知れぬ強さと可能性を感じた。

 プロツアーの初優勝は、岸川に自信を与えたに違いない。 
 来年はいよいよロンドンオリンピック。
  
posted by トモ兄 at 03:22| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 卓球ヘボコーチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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