2011年08月13日

夏休み日記_4日目


エイヴリー・ギルバート著『匂いの人類学』鼻は知っている

 第4章 嗅覚の指紋 スニッフィング・メカニズム
嗅覚とスニッフィングの関係って何?

 1862年、ドイツの解剖学者が鼻腔上部の嗅裂にある嗅神経細胞を発見したことで、匂いの分子との最初の生理的接触は間違いなく鼻で起こる。篩板に孔が開いているのは、知覚細胞と脳とを神経線維でつなぐためだ。そして、鼻をくんくんし、すばやく短く息を吸い込むのは、匂いの感知に不可欠な最初のステップだ。嗅裂に強制的にたくさん空気を送り込むことで、より大きなサンプルを採取できる。

 1982年、オーストラリア人、心理学者のディヴィッド・レインは嗅ぐときの鼻の動きと匂いとの関係を明らかにした。匂いを嗅ぐときの鼻の動きには、その人の特有のパターンがあった。別の匂いを使ってもこのパターンに変化はなかった。実際、非常に安定かつ個性的だったので、被験者を特定できた。彼はこのパターンを指紋にたとえた。

 スニッフィング(鼻をくんくんする)という動作は、二通りの解釈ができる。ひとつは単なる機能的な動き(空気を吸入)、もうひとつは嗅覚体験(匂いを嗅ぐ)で、運動機能と感覚機能が厳密に同期している。物理的なスニッフと感覚的なスニッフという辞書上の違いは、中枢神経に深くプログラムされている。脳は鼻から吸い込んだ匂いを受動的に受け入れるわけでない。鼻がとらえた匂いを能動的に処理している。つまり、匂いを感じることはスニッフィングと同義語らしいのだ。

 ところが、スニッフィング・メカニズムは
 他の感覚にもある同様な不具合があるようだ。

 様々な実験から、視覚順応と似たような嗅覚順応もあることがわかった。嗅覚順応は、匂いの印象を形成し、能動的に微調整を行っている。初めて嗅いだ匂いはきつく感じてもだんだん弱まっていく。ところが嗅覚順応は他の匂いに影響しない。きつい匂いは感じなくなっても、それ以外の匂いに対する感度は変わらない。
 加えて被験者にスピン(先入観)を与えると知覚に変化が起こる。無臭に肯定的(快い)なスピンを与えられたグループは、時間がたつにつれて匂いは弱まった。一方、否定的(不快)なスピンを与えたグループは、匂いを強く感じるか、さらに強まっていくように感じた。つまり、知覚はスピンに依存すし、知覚した明らかな証拠とをきわめて効果的に歪曲する。

 第4章をまとめると、

 1.匂いを嗅ぐということは、スニッフィングと同義語で、
  脳が能動的に働き物理的にも認識面も嗅覚を調整する。
 2.匂いを嗅ぐということは、統計的かつ選択的に
  特定の匂いの感度を落として、新しい匂いに集中する。
 3.匂いを嗅ぐということは、状況をもとに自動的かつ
  暫定的に匂いを解釈し、行動反応に備える。
 4.匂いを嗅ぐということは、スニッフからスピンまで、
  鼻と脳は絶えず私たちの嗅覚風景を作り替えている。

 あぁ、なんて素晴らしいメカニズム!

posted by トモ兄 at 01:04| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、
読んでいて、明るい気持ちになれましたので、
コメントさせていただきます。

またの更新楽しみにしています。
Posted by アフィリエイトで楽に稼ぐには? at 2011年08月13日 03:16
はじめまして
アフィリエイトで楽に稼ぐには?を読みたいと思います。

宜しくお願いします。
Posted by at 2011年08月13日 15:41
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