2020年05月31日

『リトル・ミス・サンシャイン』を見た

 『リトル・ミス・サンシャイン』の感想は、
 あまりにも可笑しすぎるロードムービーでありながら、実は家族愛と前向きな姿勢をとることによって、家族がまとまり自分自身に負けない「敗れざる者たち」を描いた作品だった。勝ち組と負け組が盛んに言われる時代に、転んでもただでは起きぬ。たとえ負けてもお負けが付き、精一杯チャレンジしたことで誇りをもつ。そんな家族の物語が、見るものを元気にし心を熱くした。

 フーヴァー家の家族構成は6人。みな一筋縄ではいかないキャラと様々な深刻な問題を抱えている、尋常じゃない家族だ。
 
◎娘(オリーヴ)は、ぽっちゃり体型で、美少女コンテストの優勝が目標...最後までどうどうとやり遂げるが、警官から、今後オリーヴを美少女コンテストに、出場させないようにと命じられる。もう最悪の結果となる。
◎父(リチャード)は、貧乏から抜け出すために、悩める人を救うための本の出版を計画...旅の途中で、計画がご破算に。家族どころか、自分自身をなかなか救えない。
◎母(シェリル)は、再婚しお金の心配...旅の途中で、何も解決できなかっとことを思い知らされる。  
◎息子(ドウェイン)は、テストパイロットになることが目標で、「沈黙の誓い」...旅の途中で、色弱であることが分かり断念。結果的に「沈黙の誓い」が解けしゃべりだす。
◎叔父(フランク...シェリルの兄)は、ゲイの学者で彼氏に失恋し自殺未遂事件...旅の途中で、忘れかけていた彼氏と思わぬところで遭遇をする。
◎祖父(エドウィン...リチャードの父)は、第二次世界大戦の退役軍人の元気なエロ爺さん。ヘロイン使用のために最近老人ホームを退所...旅の途中で、ヘロイン中毒のためか突然死亡する。


 彼らが、オリーヴの夢を叶えるために、家族全員が、古ぼけた黄色いフォルクスワーゲンT2マイクロバスに乗り込み、800マイル(ニューメキシコ州アルバカーキから『リトル・ミス・サンシャイン』の会場である、カリフォルニア州レドンドビーチを目指す)の旅をする。

 この道中、予測不能な信じられないトラブルが次ぎ次ぎに起こる。ところが、まとまりのなかった家族が少しずつ変わり始める。めちゃくちゃなコメディ映画がヒューマンドラマに変貌するとき、見るものは、笑ってばかりではいられなくなる。また呆れかえっていたが、フーヴァー家の旅の途中に、どんどん引き込まれて行くことになる。

 たとえば、旅の途中にこんなことがある。
 どうしようもない困った性格のエロ爺さんだったが、とても家族思いの老人だった。リチャードが失意にあるとき、優しく慰めた。オリーヴが美少女コンテスト出場に自信をなくすシーンがある。その時に、


「負け犬っていうのは、

負けるのが怖くて

挑戦しないやつらのことだ」


 と諭す。ところが、エドウィンはオリーヴに、美少女コンテストでヌードダンサーが踊るようなダンスを教えていた。
 つまり、容姿といいダンスの質といい既に結果は見えていた。結果どころか、もう最悪でコンテストに参加することさえできなくなった。

 フーヴァー家の家族6人の旅は最悪の結果。これが旅の途中の出来事であった。しかし、たとえ負け組であっても、精一杯チャレンジすることによって、家族愛に芽生え「敗れざる者たち」の誇りをもった。考えてみれば、人生の長い長い旅路のワンシーンでしかなく、また彼らは日常への帰途につく。

 そして、こう思った。
 僕もこの黄色いマイクロバスに、7人目として同乗していた。もしくは、この6人の家族の誰かに似ていると思った。

 最後に、僕の評価を星5つに変更した。



posted by トモ兄 at 23:02| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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